ハムレットマシーン寄稿_03

LOGOTyPE プロデュース#4 『ハムレットマシーン』上演に寄せて

宮田徹也(嵯峨美術大学客員教授)

IDIOT は時空を駆け巡る

 

IDIOT は、時空を駆け巡る。芸術は時間と場所によって姿 形を変容させてきたが、本質となるべき点に変化は訪れな い。IDIOT は、その本質をいつも携えている。芸術における本質とは、不可解な人間と同様に、複雑でなかなか見出せない。だからこそ 我々は、IDIOT の舞台に立ち会うことが不可欠になる。芸術における本質は、これとはまた異なる性質を持っている。それは、規定を超克することにある。IDIOT は演劇というテーゼに縛られることなく、文学、音楽、美術、写真、ダンス、映像、建築、デザインといった、あらゆる要素を含意している。ひたすらに前衛的かと思うと極めて古典的であり、その古典は芸術の枠を超えて法学、数学 といったリベラルアーツを彷彿させる。最も古典的かと感じると、STEM、AI 等の非常に未来を予感させる。

IDIOT は、やってこない。こちらから向かわなければならないのだ。さあ、IDIOT と共に、現在、過去を含む未来を構築しよう。