harassment guidelines

IDIOT SAVANT theater companyハラスメント防止ガイドライン

1条 目的

このガイドラインはIDIOT SAVANT theater company(以下当カンパニーという)の創作現場(稽古場、ワークショップやオーディションの場、及びそれに類する場をいう)において、ハラスメントが行われることを防止することを目的とします。当カンパニーに関わるすべての皆さまの権利と尊厳と個別性を守り、各自が自由で心身ともに安全、健全に、活動や公演に取り組んでいただく為、稽古・ワークショップ・公演およびそれに類する場において、安心して集中できる環境づくりに努め、ハラスメントが行われることを防止します。私たちは、あらゆる差別と暴言、暴力を容認せず、私たち運営側の立場や、関係者全員の個々のもつ様々な属性に基づく力関係・地位を利用したハラスメントに反対の立場を取ります。また、活動に参加する者全員が、お互いに対等であることを踏まえ、相互において、あらゆるハラスメントに反対の立場を取ることを求めます。

 

2条 対象者

このガイドラインの対象者は、演出者・俳優・参加者・外部スタッフ、観客を含む公演や活動に関わるすべての方です。

 

3条 ハラスメントとは

ハラスメントには以下のようなものを含み、また、これに限りません。 

*人種、国籍、民族、年齢、性別、ジェンダー、性的指向、障がいの有無、容貌、体型、人格、思想、宗教あるいは無宗教、修学や職務上等の、人がもつさまざまな属性に基づく当事者間の力関係の非対称性を濫用して、相手の意に反する発言や行為によって生じるハラスメントです。具体的にはパワーハラスメント、セクシャルハラスメント、モラルハラスメント等がそれに当たります。例え本人にそのつもりがない場合でも相手を傷つける行為、偏見を感じる行為、苦痛を与える行為、不利益を与える行為等はハラスメントに該当します。 

 

4条 ハラスメント防止のアクション

*参加する皆さまがお互いに安心して参加できる環境作りに努めます。

*お互いを尊重しあい、思いやりを持って行動することを共有させていただき、この態度を前提に参加していただけるよう、

コミュニケーションを日々よく取ることに努めます。

*暴言、恫喝、罵倒、叱責などの威圧的、暴力的な言動は行いません。

*性的強要、不用意な身体的接触、性的な言動、性別に関する発言も含むセクシュアルハラスメントは行いません。 

*身体的な接触は、作品の表現のため、または身体訓練、演技訓練において必要な場合に限り、参加者同士や演出部およびトレーナー、またはアシスタントが、社会通念上適切な箇所のみに行う可能性はありますが、 参加者の自由意志と、お互いの合意の場合のみで行われます。

*演出家やトレーナー等やスタッフ等と参加者、あるいは参加者同士が2人きりになる状況をつくりません。

*倫理、道徳に反する精神的な暴力、言動による嫌がらせは行いません。 

*遂行不可能なことを要求または強制することはありません。

*飲み会等の親睦行事に強制的に参加させることはありません。

*個人情報、特に自己開示のない情報について厳重に管理し、公演や当劇団の演劇活動の目的以外には利用致しません。 

*お互いに許可なく無断で劇団員、共演者、スタッフ等すべての関係者の情報をSNS上に掲載および転載することを禁止します。掲載・転載する場合は、必ず本人の許可もしくは所属する団体に許可を得ることとします。

*お互いに許可なく無断で劇団員、共演者、スタッフ等すべての関係者が、作品に関わる情報や、作品の内容および物語上の仕掛けや結末といった重要な部分を暴露してしまうこと、またはその情報自体が、許可なく無断でSNS上に流出することを禁止します。

*稽古場および本番中の控室等において、昨今の感染症についての事情を鑑み、その時々の状況に合わせて、マスクをすることや衛生面に対する行動を、個人の主義・主張を尊重しながらも、お互いの健康と活動の遂行を守るために、マスクの装着や手指の消毒、飲食などについての清潔管理を出来うる限り協力し合えるよう、状況や意思の共有を行っていきます。

*参加者同士のトラブルをも避けるため、以上と同等または異なる場面において、不快・苦痛・不安に感じる等が生じた場合に、速やかに対処いたします。

*何か問題を感じた、またはそのような言動を目撃した場合には、すべての関係者が、お気兼ねなくその場で声を上げていただき意思表示していただくか、または主催側もしくは共演者に速やかにお知らせいただけるよう事前に周知します。

*以上のような、当カンパニーの当該ポリシーを共に守るお約束をいただけた方に、活動にご参加いただきます。

 

5条 ハラスメント防止のための方策

ハラスメント防止のために、以下のような心構えを、当カンパニーの劇団員および関係者全員、そして参加していただくすべての方に周知徹底・共有して、賛同し遵守していただけるよう、十分な説明とコミュニケーションを取っていく次第です。

*活動に参加する者全員が、お互いの人格を尊重し合い、お互いが対等な立場であることを踏まえ、主催者、演出部、出演者、スタッフ等という独立した役割を守り、創作現場の雰囲気や状況の悪化や、作品の質を低下させることのないよう、当該ポリシーを十分に共有することが重要であることを確認していきます。

*活動・稽古・公演に参加するすべての皆さまにも同様に、安心でお互いに快適で安全な環境となるように、お心掛けいただけるよう、ご協力とご配慮をお願いする姿勢を持続していきます。

*また、今後の作品に、以上に反する表現が描かれている時代背景を持つ、既成作品を取り扱う場合もありますが、その問題を皆で受け止めることで原作者・原作に敬意を払い、現代に発表する意味を皆さまと共に稽え、参加者全員で、安全な環境で良い作品をつくることができるよう共有し、ご理解とご協力を得られるよう、また、様々な立場からの様々なご意見をお聞きし、お互いに尊重していくために、丁寧なコミュニケーションを十分重ねていきます。

*稽古時間内外、稽古場内外に問わず、キャリアや配役による上下関係、および年齢性別に関わらず、出演者同士の一方的で個人的な指導はしないよう、周知・徹底し、これを強く禁止します。

*参加者同士が、お互いの同意なく、第三者不在で話し合いを持つ場面を回避します。

*演出部においても、決められた場所や時間以外に個別で稽古(2人きりになることを含む)をしないため、必ずお互いに目を配り確認を怠りません。

*参加者すべてがお互いに身体的、精神的に安心かつ安全な距離を保つよう心がけ、お互いの尊厳を守っていただけるよう、意思の共有に努めます。

*個々の責任において、当カンパニーの活動に関与する以外の場面で、同意を前提とした個別の関係性を持つことに関しては、基本的に関与いたしません。ご相談に乗る姿勢は保守いたします。

*稽古場および本番中の控室等において、状況に合わせてマスクの装着や、消毒等の衛生面に対する行動、飲食においての清潔管理等を、個人の主義・主張を尊重しながらも、快く協力し合いお互いの健康を守って活動を安全に遂行していけるよう、その時々の状況、情勢も含めた情報収集だけでなく、各々の意思の確認や、お互いのための無理のない安全な対策を日々考慮し、共有を行っていきます。

 

6条 ハラスメントが起きたときの対応

*当ガイドラインに反することが生じた場合、黙認することなく、公平中立な立場で対処いたします。

*相談者、当事者双方、目撃者等の関係者に対し、公平中立な立場で聞き取りを行い、ハラスメントに該当する行為について厳重注意を行い、または必要に応じ契約の解除等も検討し、適切な対処を行います。

*意思表示が難しい場合もあるため、まずは信頼できる人に相談していただき、さらに当カンパニーへ伝えていただけるよう、当ガイドラインを共有していただくこととします。

*相談者や情報提供者のプライバシー保護を厳守し、各々の不利益になることはいたしません。

*双方当事者の同意なく口外しないなど、プライバシー保護を厳守いたしまして、速やかに問題解決に努め、適切な対応をさせていただきます。

*これには調査が必要となった場合の第三者機関への情報提供が含まれます。 

*調査が必要となった場合の第三者機関への情報提供への協力の責任を持ちます。

*話し合いで解決が困難な場合には、外部機関への相談についても適切、且つ速やかに考慮し対応いたします。

*明らかな犯罪行為については、直ちに警察に通報する等、適切な対応を行います。

*以上のハラスメントガイドラインを遵守いたします。

 

7条 ガイドラインの改定について

*当カンパニーのすべての構成員は、ガイドライン改正に関して、その検討を申し立てることができ、その責任を持ちます。

*アンコンシャスバイアスを防ぐため、今後も第三者機関からの学びも怠らず、常に改善を目指すために話し合い、その都度ガイドラインの改定をしていきます。

*改定・修正にあたり、その日付のみをここに記すこととします。

 

第8条 ガイドライン施行において

*最後に、当カンパニーでは、創作の現場において、創造性を尊び良い作品をつくることを第一目標とせず、すべての参加者が平等に、風通しよく自由闊達に話し合える環境をつくり、お互いの意見を皆で明るく共有し、その上でより良い作品を参加者全員で創り上げられるような「環境づくり」を第一の活動の意義とすることで、ハラスメントを行わないことを実現していきます。

 

附則

この規約は、20242月1日に発行、同日より施行する。

改定日:2025年2月22日

 

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